建設業労災加入ナビ

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労災保険の補償を受けられない場合

建設業で働く労働者は誰かに雇われて業務に従事している限り、労災に遭った時には労災保険の補償を受けることができます。ですが、これは裏を返せば、誰にも雇われていない人は労災保険の補償を受けられないということでもあります。

建設業においては、ひとつの事業に多数の下請けが入って仕事を行います。そして、経営者や役員が自ら現場で作業を行ったり指揮をとることも珍しくありません。労災に遭う危険性は一般の労働者と同じであるのに、労災保険の補償を受けられないというのはなんとも不合理です。

そのため中小事業者の経営者や役員に関しては、労災保険特別加入制度が設けられています。この特別加入手続きをして保険料を支払うと経営者や役員であっても労災保険の補償を受けることができるようになります。現状は現場に入るにはこの特別加入は必須となっており、未加入状態での労災が発生しないよう元請けも神経を尖らせています。この中小事業者特別加入制度が利用できるのは、建設業においては常時使用する労働者が300人以下の事業者やその役員です。

このような下請けに入る事業者の経営者や役員だけでなく、単独で仕事を受けて現場で働く人が多いのも建設業の特徴です。彼らは一人親方と呼ばれ、人を雇わず自分ひとりで仕事をします。業務内容は通常の労働者と変わりませんが、事業主でもあるため労災保険の補償が受けられません。このような一人親方の労災に備えて、一人親方特別加入制度が設けられており、これに加入することで一人親方も労災保険の補償を受けることができるようになります。

これらの特別加入をするには、各地にある建設業労災保険組合などに加入する必要があり、事業者が労災保険に加入するのとはまた違った手続きになります。