建設業労災保険料の算出方法
建設業労災保険の保険料算出は、事業の総費用に労務比率と保険料率をかけて算出されることが多いですが、他の業界のように実質賃金方式で算出することもできるようになっています。
実質賃金方式は実際に支払う賃金を元に保険料を計算します。この方法で計算した場合、前者よりも保険料が安くなることが多いのでコスト削減につながるとして、実質賃金方式による算出を行っている事業者もあります。特に大手の建設会社やハウスメーカーではこの方法によるコストダウンが行われています。
保険料を引き下げるという大きなメリットがある実質賃金方式ですが、この方式をとるには様々な問題があることも事実です。そもそも労務比率を用いて計算する方式が認められたのは事業に関わる全ての会社の賃金を完全に把握することが困難だからです。実質賃金方式をとる場合、この困難な賃金の把握をきちんと行う必要が生じます。正確な賃金の把握には賃金の額に加えて労働時間の管理も必要になり、残業代や諸費用もきちんと計算しなければいけません。誰もがおいそれと導入できる手段ではないということに注意が必要です。
さらに実質賃金方式をとると、きちんと賃金の計算が行われているのか労働局の調査が入ることも多いです。もし賃金の計算に誤りがあってそれを指摘されたり、関係書類等の不備が発覚した際には、訂正が行われたうえで不足した保険料の支払いと追徴金を命じられることもあります。
これらのハードルを全てクリアするためには、労務管理についての相当なノウハウが必要になります。
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